フォエバー少女マンガ~勝手にセレモニー(高橋由佳利)&リップスティック・グラフィティ(小椋冬美)

20110918



いや~、少女マンガってほんとにいいですねぇ(水野晴郎風。ふるいっ)




というわけで実家に滞在中、昔読んでいた漫画の文庫本を読んだ。何度も読んでいるはずなのに、久しぶりに読んでみると細かいところなど大分忘れていて、おぅ、そうだった、そうだった、と思い出す(笑)。



こどもっぽい「なかよし」に比べて、ちょっとお洒落でおねえさんっぽい「リボン」のファンだったわたし。本棚には、小椋冬美、高橋由佳利、萩岩むつみ、陸奥A子、田淵由美子、佐藤真樹の各先生の文庫本が並ぶ。



その中でも真っ先に読んでみたのが高橋由佳利先生の「勝手にセレモニー」。発表は1981年で今から30年も前なのだが、すっかり大人になってしまった今読んでみても、筋書きの面白さはピカイチ!





勝手にセレモニー1

勝手にセレモニー2


名門女子校・聖椿山女子学院の「海猫寮」に転入してきた主人公・森ノ宮二詩子。著名な映画監督である父と離れたいばかりに、怪しげなスポンサーに頼って「海猫寮」にやってきたのだ。清楚なお嬢様ばかりとおもっていたのだが、ひとくせもふたくせもある寮生たち。彼女たちは、映画作りに夢中になるあまり、夜中寮を抜け出しては映画製作の資金作りのアルバイトや撮影に邁進していた。

やがて、強引に仲間にひきこまれる二詩子。が、仕事ばかりの父を嫌うあまり映画にも映画作りにも興味をもてず、自分の殻からなかなか飛び出せない。

そんなある日、寮に泥棒が入る。盗まれたのは撮影していたフィルム。誰が何の目的でフィルムが狙われたのか?二詩子が淡い恋心を抱くスタントマンの青年もからんできて、最後にすべての謎がとける。



といったコメディタッチの物語なのだが、伏線がきいているストーリー展開は素晴らしい、のひとことっ。自分の気持ちをうまく表現できない主人公が、寮生たちとの関わりを通して徐々に心を開き、父との確執を乗り越え和解していくのだが、そこに至る過程がうまいのである。謎のスポンサーもフィルム盗難の謎解きもすべてがそこに辿り着くのか、と、感動的な展開である。


以前からなぜこれが映像化されないのだろう?と思っていたのだが、今回改めて読んでもぜひ映像化されるべきだ、との思いをさらに一層ふかめる。実写版でもいいし、ジブリでアニメ化でもいいし、と勝手に思っている(笑)。


そして、そして小椋冬美先生の「リップスティック・グラフィティ」。こちらも同じ1981年の作品。小椋冬美の漫画はなんといっても絵や色使いが抜群にいい。物語全ページをカラーにしてもらいたいくらい。「リップスティック・グラフィティ」や「さよならなんて言えない」に出てくる女子高生の主人公の横顔や髪型にどれだけ憧れたことかっ(笑)。

「リップスティック・グラフィティ」


主人公・街子はどこにでもいる普通の女子高生。そろそろ異性の目が気になる同級生たちの言動にはどうもしっくりと来ない。とりわけ、クラス一の美少女・神子とはまったくそりがあわない。どうしたら男子の目にかわいく映るかばかりを気にしている神子が理解できないでいるのだが。。。。


勝気で強気なばかりだと思われていた神子のデリケートな側面、恋も背伸びも自分とはかけ離れたものと思い込んでいた街子に訪れる微妙な心の揺らめき。ないものねだりに心がざわめく合わせ鏡の二人。



「さよならなんていえない」


男子部、女子部にわかれた高校を舞台に、女子部の街子、神子、男子部の新巻くんや先輩・紀文さんとの出会いを通して、友情や揺れる恋心の複雑さを繊細かつユーモラスに描いていて、やっぱりおとなになった今読んでも「胸きゅん」な情景やセリフが心に響く。

「さよならなんていえない」


担任教師への淡い恋心が破れてなかなか立ち直れないでいる神子が、街子と一緒に授業をさぼって電車の終着駅の町ですごす時間の情景、恋に奥手な街子の前に現れた紀文先輩の「きみはきっと素敵な女性になるよ」とか「時期がくれば背伸びをしなくてもいろいろなものが似合うようになるよ」なんていうセリフのどれもこれもが素敵すぎる。



「リップスティック・グラフィティ」に関しては、こちらで詳しく解説されていて、そうだったのね、と。



というわけで、どちらも30年前の作品だが、今読んでも全く色あせない名作なのでありましたっ!といっても、現代の乙女たちには通用しない世界かもね。。。。





<追>
高橋由加利先生は、その後トルコの方と結婚したのだそうです。その顛末記も出されているということのなので、機会があったら読んでみたいです。萩岩睦美先生もデンマーク人と結婚しているし、最近映画化された「ダーリンは外国人」の小栗左多里先生も、タイトル通りで、女性漫画家は外国人と結婚する確率が高いのでしょうか(笑)?

それにしても改めて漫画家という方々は、絵のみならずストーリーやセリフもすべて考えているというのは素晴らしいとしか言いようがありません。自分よりもそれほど年上ではなかった先生方の表現力や観察力、その他博学は尊敬するのみですっ。漫画を読んでも勉強させられたことたくさんありましたからね。そして、なにより30年たった今読んでもまったく感動が薄れないというところが、少女マンガの魅力なのかもしれませぬ。

あぁ、熱い、熱すぎてしまう。。。。。







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